鍼灸の刺激が脳疲労を回復し、その結果として身体症状の軽減に貢献する仕組みは前回の通りですが、中には鍼灸だけでは回復しきれないケースもあります。

 

「施術した後はいいんだけど、しばらくするとまた戻ってしまう」といったケースです。

 

こういう場合は、いろいろな要因が考えられますが、一つには「ストレス源が強すぎる、あるいは慢性化している」ことが挙げられます。

鍼灸の刺激で一時的に良くなっても(一時的にでもリセットすることはとても大事なことなんですが)、日常生活の中でまたストレスを受けて疲れてしまうのです。

 

このように、鍼灸が脳疲労に対して対症療法的には有効だけれども、「疲労を取るだけでなく、そもそも疲れにくい脳にしたい」「根本から変えていきたい」という場合は、ストレスに対していつも同じように反応しているパターンを変えていく必要があります。

 

その方法として私がオススメするのが「瞑想」です。

 

瞑想というと、怪しげな精神世界?宗教?とイメージされる方も多いかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。

 

私は4年間「マインドフルネス瞑想」を実践していますが、その経験から個人的な感想を言いますと、まず瞑想というのは

「今ここに存在しているものをありありと感じること」

であるということ、そして

「頭で理解するのでなく体感する、極めて身体的な実践」

であり、また

「特定の宗教のものではなく、むしろ心身の健康法としてあらゆる人に開かれたもの」

だととらえています。

 

生活の中で「今ここに存在している」ことを体感する習慣が身につくと、ネガティブな思考パターンにはまっていることに早く気づいてリセットし、脳のエネルギーの消耗を抑えることができるようになります。さらにはネガティブな思考自体が少なくなり、まさに「疲れにくい脳」「ストレスに強い脳」に変わっていくわけです。

 

マインドフルネスの効果はこれにとどまらず、慢性疼痛や自律神経系などの身体症状に対する効果も報告されているので、またの機会にお話しできればと思います。

 

鍼灸とマインドフルネスは「身体感覚」「身体脳」という点で親和性が高く、両者を併用することで、脳疲労に対して相乗的な改善が望めるのではないかと考えています。

 

湘南さがみはりきゅうマッサージ

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